宮沢賢治著「雨ニモマケズ」を、誰もが知っているのには理由があります。
- 日本文学
掲載日: 2020年06月26日
日本人にとっては、馴染み深い、有名な「詩」。
それは、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」
そこに描かれているものは何か・・・。
岩手県の大きな質屋で育った宮沢賢治は
貧しい暮らしをしている学校の友人や、近隣の人々に対してどんな思いでいたのでしょうか。
そのことに思いをはせて、この詩を読むと
宮沢賢治がこの詩を書いた理由がわかるような気がします。
なぜ、この詩は心を打つのでしょう。
理由があります。
この「詩」は、そもそも、出版を想定されて書かれたものではありません。
売ろうとして書いたわけではなく
ただ、自分の心情を赤裸々に描いただけのもの。
独白としてしたためたメモにすぎないものでした。
だから、そこに描かれているものは「本物」の風景。
真実が描かれているからこそ、人々は涙を流すのでしょう。
では、なぜ、この作品が有名になったのでしょう。
ここにも理由があります。
戦前は、軍部に利用され、耐え忍ぶことへのプロパガンダになり
日本全土に流布されました。
戦後は、GHQに利用され、貧しいことを良しとするプロパガンダになり、
全国の教科書に記載されました。
かくして、
全国民の脳裏に刻まれることとなったわけです。