朗読コンテンツ05-宮沢賢治「序」(注文の多い料理店より)
- 日本文学
掲載日: 2022年10月12日
宮沢賢治の存命中に、自身の意思により刊行されたのは、たった二冊の本のみ。
そのうちの一冊が、童話集「注文の多い料理店」。
冒頭には、宮沢賢治自身による「序」が書かれています。
「注文の多い料理店」に書かれている童話を読む前に、
まずは、この「序」を読む必要があります。
なぜなら、これらのお話をどうやって描いたかが
賢治自身の文章で記されているからです。
賢治の不思議な創作の様子が見えてきます。
「わたしたちは、氷砂糖をほしいくらいもたないでも、
きれいにすきとおった風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます」
そう、賢治は、「風」を感じるだけではなく「たべ」、
「日光」を見るだけではなく「のむ」ことができるのです。
この「序」を読んだ後で、宮沢賢治の描いた童話を読んでみると
全く違った世界が見えてくることでしょう。