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朗読コンテンツ08-夏目漱石「夢十夜」-第二夜(悟りを開く侍の話)

朗読コンテンツ08-夏目漱石「夢十夜」-第二夜(悟りを開く侍の話)

掲載日: 2022年11月23日

「夢十夜」とは。

「夢十夜」は、1908年(明治41年)に『朝日新聞』に連載された連作短編小説。
10話からなる、不思議な「夢」を語る幻想的な作品です。
朗読にピッタリの長さの作品です(;^_^A

作家の人生をありのままに描く「自然主義文学」とは異なり、リアルな「作り物」を旨としている漱石らしく、実に不思議なお話。
そして、ただの空々しい幻想的な物語ではなく、生き生きとしたリアリズムにあふれています。
今回お届けする朗読は、夏目漱石「夢十夜」の第二夜です。

第二夜は、こんな話。

「第二夜」は、悟りを開こうと苦悶する侍の物語です。
無の境地を掴もうとするひとりの侍。
が、和尚は突き放すように言います。
「お前は侍である。侍なら悟れぬはずはなかろう。
そういつまでも悟れぬところをもって見ると、御前は侍ではあるまい。人間の屑じゃ」
とまで言うのです。

漱石は、常にイラついていた人。
常態的に強迫観念に駆られていました。
大学を卒業した後、英語教師になりますが、強迫観念は募るばかり。
イラつくあまり、生徒に当たり散らしていたほどです。

救いを求めて、鎌倉の円覚寺にて、座禅を組むなどもしています。
イギリス留学中は、お金がないが故、生活がままならず
神経衰弱を患うに至ります。

そういったことを踏まえて第二夜を読むと、漱石の言わんとすることが解ってきます。
身の置き所のない漱石の心情がよく表れています。
ボクには、漱石の心の叫びが聞こえてくるような気がします。

「芸術は、砕け落ちた自分の心を、拾い集めて
それを紡ぎ合わせて作り上げるもの」とは、よく言ったものです。。

そんな鬼気迫る物語を朗読と映像で表現してみました。

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