フランツ・カフカ「掟の門」はアナタの人生の登竜門なのかもしれない。
- 海外文学
掲載日: 2023年04月14日
「掟の門」は、1914年、カフカが31歳の時に発表された短編小説。
同時期に長編「審判」を執筆しています。
「掟の門」のあらすじ
ひとりの男が「門」の前にやって来る。
門番に「入れてくれ」というが、「今はダメだ」と言われる。
門番はさらに言う。
「入りたいのなら、俺にかまわず入ればいい。
ただし、この先には、俺よりももっと強い門番がいる」
男は門の中に入ることをためらう。そして長い年月が経つ。
男は臨終の間際に、ふとあることに気が付く。
自分以外には誰一人として、中に入ろうとした者がいなかったのだ。
男は薄れていく意識の中で門番の声を聴く。
「誰一人ここには来ない。この門はお前だけのものなのだ。さぁ、門を閉めるとしよう」
「掟の門」とは、いったい何?
「掟の門」を執筆していた頃、カフカは恋人フェリーツェ・バウアーとの結婚が現実のものとなりつつあり、悩んでいました。
文筆の時間が取れなくなることを恐れていたのです。
結局は、婚約を解消する道を選ぶカフカ。
カフカの境遇を踏まえると、カフカの言わんとすることが見えてきませんか?
この作品は、読んだ人なりのいろんな解釈ができる、とても優れた寓話なのだと思います。