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フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」は、18歳の感性だからこそのリアルがある。

フランソワーズ・サガン「悲しみよ こんにちは」は、18歳の感性だからこそのリアルがある。

  • 海外文学

掲載日: 2022年09月08日

この作品は、1954年、サガンが18歳の時に出版された小説。

舞台は南フランスの別荘地。
そこにバカンスでやって来たのは17歳の少女セシルとプレイボーイの父親、その若き恋人のエルザ。
仲睦まじく見えた三人だが、そこに現地の青年シリルとの出会い、さらには美しき大人の女性アンヌがやってくることで、ひと夏のバカンスが悲しい出来事になっていくのです。

そこには5人の男女のとても複雑な心の揺れ動きが描かれています。
それも、全てはセシルの視点から、思い出を語るように描かれています。
同年代のサガンだからこそ描けるリアルさなのではないでしょうか。

主人公セシルとプレイボーイの父親レイモンの人となり。

サガンの描く文章はとても洗練されています。
セシルと、父親レイモンが、恋愛について話す場面で、二人の人となりがよくわかります。

レイモンは、愛における定説や厳粛さや誓いと言った概念を否定していた
つまり、セシルのお父さんは、「遊び人」っていうこと。

そして、この恋愛観はセシルの心をとらえたのです。
あっという間に恋に落ち、激しく燃え上がり、束の間で消える。貞節に魅力を感じる年齢ではなかった」のである。
この感覚は、10代だからこそのものでしょう(;^_^A

さらにセシルはオスカーワイルドの言葉を心に刻むようになるのです。
それは「罪は、現代社会に残った唯一の鮮明な色彩である
何となく意味が判りそうですねぇ(;^_^A

父親レイモンと美しき大人の女アンヌの関係や如何に。

別荘にアンヌがやってきます。
その時、別荘にいたのはセシルだけです。
セシルが、エルザもここにいることを告げると

アンヌの顔が不意に歪み、唇は震えていた

さらには、
アンヌは、こちらを向いてはいたが、見つめていたのは私の言葉から立ち上った人影だった
この文章一つで、アンヌの気持ちが痛いほど伝わります。

父レイモンとアンヌが結ばれていくことを歓迎するセシル。
でも、セシルの気持ちは次第に変化していきます。
どうしてセシルの気持ちが変化していくのか。
そして、セシルがどんなことをし始めるのか。

ここからが、サガンの感性の冴えわたるところです。

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