ピート・トラヴィス監督「バンテージポイント」で、人間関係の根源を学ぼう。
- 映画
掲載日: 2011年02月03日
たとえば。
アナタの恋人が、他のオトコと歩いているとする。
で、なにやら、深刻な雰囲気。
立ち止まった彼女、泣き出している・・・。
それを物陰から見ているあなたの心臓はバクバク。
いったい何が起こっているんだ?!と気が気ではないことでしょう。
では、視点を変えて、アヤシいふたりの会話を聞いてみましょう。
彼女「お兄ちゃん、せっかく帰ってきてくれたのに・・・」
オトコ「でも、父さんが、敷居はまたがせてくれないんだ」
そーいうことかぁ。
遠くから見る。
はたまた、当事者の視点で見る。
全然、見え方が違います。
「バンテージポイント」は、こんな視点の違いを巧妙に使っている。
舞台はスペイン。
とある広場では、公式の行事が行われている。
アメリカ大統領がスピーチを始める。
と、そのとき、一発の銃声が。
なんと、大統領が狙撃されてしまう!
あたりは大混乱。
SPが、撃たれた大統領を大慌てで避難させる。
・・・と次の瞬間、スピーチをしていた舞台が大爆発を起こす。
これが、物語のはじまりである。
大爆発が起こるまでのシークエンスを、いろんな登場人物の視点から、描き直す。
会場に来ていたひとりの観客の視点。
SPの視点。
会場に潜んでいたテロリストの視点。
全く異なる、視点からのエピソードがやがてひとつに交差する・・・。
見る視点の違いで、こんなにも、多彩な解釈=ストーリーがあるってことが、良ーくわかる。
先が全く読めない・・・。
世の中の人間関係って、なるほど、誤解に満ちているハズである。