小津安二郎 監督「晩春」は、紀子三部作の原典です。
- 映画
掲載日: 2019年01月13日
「晩春」は、1949年(昭和24年)に公開された作品。
妻に先立たれた父(笠智衆)のことを思い
なかなか結婚にいけない娘(原節子)を
父(笠智衆)が、やきもきする・・・という小津作品の定番。
本作品は、その設定での最初の作品です。
終始にこやかな笑顔だった原節子が、結婚をせっつかれることや
父の再婚話が突然湧いて出てきたことに、いらだちを隠せなくなってきます。
このときの凛とした原節子の美しいこと・・・。
父は、自分が再婚することで
娘がお嫁に行きやすくなるだろうと考えて、再婚すると嘘をつくのです。
ところが、娘は、父の再婚が嫌で嫌でたまらなかった・・・。
原節子「お父さん、本当に再婚なさるのね」
わずかにうなづく笠智衆。
原節子「本当になさるのね」
うなづく笠智衆。
原節子「本当なのね」
うなづく笠智衆。
ついに怒りを爆発させて、しまう原節子。
この時の、原節子は、
もう、これ以上美しい人はいないのではないだろうかと思わせるほど美しいのです・・・。