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アンドレイ・クルコフ「ペンギンの憂鬱」は、もしかすると現実に起こってそうな「闇」を描いた作品です。

アンドレイ・クルコフ「ペンギンの憂鬱」は、もしかすると現実に起こってそうな「闇」を描いた作品です。

  • 海外文学

掲載日: 2023年01月02日

「ペンギンの憂鬱」は、1996年にロシアで発表された長編小説。
作者のアンドレイ・クルコフは、1961年、レニングラード生まれのキエフ在住の小説家です。

舞台は、ソビエト連邦が崩壊した直後のウクライナの首都キエフ。
中央政府による管理体制が無くなり、旧ソ連各国は、無政府状態となる。
突然の自由化により
全ては、金次第、病院ですら金がないと満足な治療をしないようになるのです。
治安が悪化しマフィアがはびこるようになり、あらゆるところで腐敗している社会
そんな状況を頭に入れておく必要があります。

主人公は、うだつの上がらない小説家ヴィクトル
ある日、彼のもとに新聞社から仕事の依頼が舞い込みます。

それは、新聞に載せる著名人の「追悼記事」の執筆。
いつでもスクープが出せるように
まだ生きている著名人の追悼記事を事前に書いてほしいというのです。

ヴィクトルは報酬の良さに惹かれ、次から次へと著名人の生い立ちを調べてきては追悼記事を書き続けます。
そんなある日、国会議員のヤコルニツキーがビルの6階から転落して亡くなります。
ついに、ヴィクトルが書いた追悼記事が新聞に掲載されるのです。

その後は、堰を切ったように、次々と著名人が不審な死に方で亡くなっていきます。
それは、すべて、追悼記事を書いた著名人ばかりです。
一体何が起こっているのでしょう・・・。

殺伐とした事件に、温かみを加えるのが、ヴィクトルが飼っているペンギンです。
経営が立ち行かなくなった動物園からもらい受けてきたペンギン。
物語の重要なキーワードになっていきます。

更には、ある出来事がきっかけでヴィクトル家に舞い込んでくる4歳の女の子ソーニャ
そして子守のニーナも加わり、とてもほのぼのとした味付けが加わります。

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