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ヘミングウェイの「老人と海」は ハードボイルドの王道を行く小説です。

ヘミングウェイの「老人と海」は ハードボイルドの王道を行く小説です。

  • 海外文学

掲載日: 2021年08月21日

この作品は、8月に行われたオンライン読書会の課題図書に指定されましたので
再読してみました。

読み終えた後で見返すと
ヘミングウェイの文章は1行たりとも無駄がないような気がします。
たとえば冒頭。

このところ84日間、一匹も釣れていなかった

この短い文章があるのとないのとでは
クライマックスで老人が
巨大なカジキを執拗に追い求める行動への感情移入
まるで違ってきます。
——-
もう一つ重要な文章が8ページにあります。

どこをどう見ても老人だが、その眼だけは海の色と変わらない。
元気な負け知らずの目になっていた

この文章があることで
延々と50ページに及ぶカジキとの格闘が
違和感なく読み進められるようになっています。
———–
もう、王道のハードボイルドが
セリフの随所に感じられます。

老人はたっぷり時間をかけてコーヒーを飲んだ。
今日一日、これしか口にしないはずだから
いま大事に飲んでおく

漁に出掛ける前の、この描写からして
老人が、ただものではないことが伺えます。
———–
ひとりで漁に出た老人は
上空を旋回している鳥に話しかける。

ねらいをつけたか?
見てるだけじゃあるまい・・・

孤独なんてものは無いんだとばかりに
人間以外のものに話しかけるのも
ハードボイルドの王道ですねぇ(;^_^A
ストイックです・・・。
———–
カジキが網にかかってから、すでに一昼夜。
老人は疲れ果てている。
一羽の小鳥が飛んできてロープにとまる。
おぼつかない足取り。
老人は話しかける。

なぁ、小せえの、休んでいけよ。
そこまで疲れてちゃしょうがねぇな

きっと、自らに言っているんでしょうかねぇ。
———–
一昼夜にわたって
カジキが掛かったロープを片時も緩めなかった。
そのせいで老人の左手は攣ってしまい
ロープを掴んだままの形で強張っている。
飯でも食ってれば元に戻るさ、とマグロの切り身を食べ始める。

どうだ?元に戻りそうか?
すぐにはわかんねぇか

ストイックです・・・。
———-
ロープを掴んだままの形で強張っていた老人の左手が
ようやく動くようになってきた。
老人はロープの先にいるカジキマグロにぽつりと言う。

お前さんには、悪い知らせだな

やはりヘミングウェイの文章は
どこを切り取ってもハードボイルド
カッチョイイです(;^_^A

画像1


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