アメリカ魂の極致。職人芸が冴える、ポール・W・S・アンダーソン監督「デスレース」
- 映画
掲載日: 2011年03月20日
アメリカ人は狩猟民族である。
日本人のような農耕民族と違って、ド派手を好み、ワイルドである。
ゲームをみると、その違いがもろにわかる。
たとえば、車のゲーム。
日本人が作ると、自動車が走るときの物理的な動きを徹底的に精密に再現していく。
カーブでの車体の傾き、はたまた、止まるときのタイヤのきしみ具合などなど。
その、究極の例が「グランツーリスモ」。
ストイックなまでに、作り込んでいく。
まるで、そこに実物の自動車が走っているかのような場面が再現される。
初めてゲームをする人が見たら、それがCGだなんて、夢にも思わないでしょう。
さて、アメリカ人が作るとどうなるか。
そこに派手な要素が入ってくる。
たとえば、破壊。
現実では決してできないクラッシュである。
EA社「バーンアウト」シリーズは、どれだけ派手にクラッシュしたかを競う要素があります。
究極のストイック、かつ超優等生、スーパーエリートの「グランツーリスモ」
それに対して、
極悪非道、かつ超ド派手、超ワイルドな「バーンアウト」
わかりやすい図式です。
で、その極悪非道、かつ超ド派手な世界観を、そのまま再現したのが「デスレース」です。
「マッドマックス」の路線で作り込まれた車の数々。重火器類。
一切の迷いがない世界観がここにあります。
登場人物の名前、登場の仕方、すべてブレがない。
すばらしい職人芸です。
一歩間違えると、たぶん、めちゃくちゃダサクなるハズ。
ストーリーが二の次かと言うと、さにあらず。
飽きさせないように、きちんと作り込まれている。
どんなお話かと言うと・・・
無実の罪で刑務所に送り込まれた主人公エイムズ(ジェイソン・ステイサム)。
そこでは、重火器で武装したカスタムカーでのレースが行われていた。
優勝者には自由を、敗者には死を。
ルールはそれだけ。
無理矢理レースに参加させられたエイムズの運命やいかに!
・・・とまぁ、こんな感じです。
これまで観た中で、ずば抜けて最強のカーアクションだと思います。
もう、バルカン砲、ロケットランチャー、あらゆる銃火器を打ちまくりです。
ボクの中では、「怒りのデスロード」より凄いです(^_^;)
だから、大音量で観ないとイケマセン(^_^;)
多少強引な展開もあるが、そんなことをとやかく言うのは愚の骨頂。
細かいことは言うだけ「ヤボ」ってもんです。