
朗読コンテンツ15-夏目漱石「夢十夜」-第九夜(父が戦に行ってしまう話)
- 日本文学
掲載日: 2023年03月24日
「夢十夜」とは。
「夢十夜」は、1908年(明治41年)に『朝日新聞』に連載された連作短編小説。
10話からなる、不思議な「夢」を語る幻想的な作品です。
朗読にピッタリの長さの作品です(;^_^A
作家の人生をありのままに描く「自然主義文学」とは異なり、
リアルな「作り物」を旨としている漱石らしく、実に不思議なお話。
そして、ただの空々しい幻想的な物語ではなく、
生き生きとしたリアリズムにあふれています。
今回お届けする朗読は、夏目漱石「夢十夜」の第九夜です。
第九夜は、こんな話。
「今にも戦争(いくさ)が起りそうに見える」
そんな状況の中、「父はどこかへ行った」
夜になると、母は神社に行き、一心不乱に夫の無事を祈る。
けれども・・・。
という悲しい物語です。
漱石は、幼い頃、家が経済的に困窮していたため知り合いの家に里子に出されています。
商売を営んでいる家だったため、ほっておかれたようで、見るに見かねた姉が家に連れ戻しています。
そんな体験を踏まえて、この朗読を聞くと、父母への想いが伺われるのではないでしょうか。