
「悪魔と夜ふかし」を深夜に観始めたあなたは間違いなく夜更かしをすることになるでしょう。
- 映画
掲載日: 2025年02月15日
「悪魔と夜ふかし」は、2024年に公開されたオーストラリアのオカルト映画。
あなたが、深夜テレビのトークショウを見ていたとします。
生放送です。
番組はオカルト特集。死者の声を聴くことができる霊能力者が登場。
なんだか胡散臭い展開。インチキだなこれは。
あなたは、もうチャンネルを変えようとさえ思っています。
が、突然その霊能力者が口から大量の血反吐を吐き絶命してしまったら、あなたはどうします。
もうチャンネルは変えられなくなるのではありませんか?
この映画を観始めたあなたは、まさにそんな心理状態になってしまいます。
この映画の舞台は、70年代のニューヨーク。主人公は深夜のトークショウ「ナイト・オウルズ」の司会者ジャック・デルロイです。
映画の冒頭で、このトークショウの変遷がテンポよく語られます。
番組が始まった当初は大好評で、司会者は人気者になりますが、時が経つにつれもっと面白いトークショーが台頭してきて、視聴率は落ちる一方。あわや打ち切り寸前まで行きます。
そこで、司会者ジャック・デルロイは、起死回生の企画を考えつきます。
70年代は、ちょっとした時代の変換期を迎えた時代です。
都市には光化学スモッグが立ち込め、大企業の引き起こした公害が大問題となりました。
科学技術のおかげで経済が大発展してきただけに、多くの人々は、科学技術の進化に疑問を呈すようになり、科学技術以外に心のよりどころを求めるようになってきました。

それが、スピリチュアルなものに向かい、瞑想やヒーリングがブームとなりました。
そして、世界中をオカルトブームが席巻します。
日本では、テレビでは超能力者ユリ・ゲラーがスプーンを曲げる番組で視聴者はテレビにくぎ付けになっていたことをボクは覚えています。
司会者ジャック・デルロイが、企画したのは大ブームの「オカルト」です。
ところが、テレビ史上初めての前代未聞の放送事故が起こってしまいます。
その時の番組のテープが発見されたのです。
ここから、私たちは、その日放送された生放送の録画テープを見ることになるのです。
この映画は、フェイクドキュメンタリーである「モキュメンタリー」の一種、「ファウンド・フッテージ」形式の映画です。
ファウンドは「発見」、フッテージは「素材」を意味します。
つまり、「発見された素材」ということ。
ここからは、まさに生放送を一部始終を見せられている感覚になっていきます。
どんなに遅い時間だとしても、アナタは最後まで観るのを止めることはできないと思います。
ボクは断言できます。
