不器用な男の不器用な愛が清々しい、ビレ・アウグスト監督「リスボンに誘われて」
- 映画
掲載日: 2017年09月15日
「リスボンに誘われて」は2013年のドイツ・スイス・ポルトガル合作の映画。
原作はスイスの作家パスカル・メルシエの小説「リスボンへの夜行列車」です。
主人公は、ひとりのスイスの高校教師。
ある雨の日、通勤途中に、橋から飛び降り自殺をしようとしている若い女性を助けます。
が、彼女はコートを残したまま走り去ってしまいます。
残されたコートのポケットには1冊の本が。
そして本には出発間近のリスボン行きの列車のチケットが挟まれていました。
駅に向かい、咄嗟にその列車に飛び乗ってしまう主人公。
列車の中で読んだ本の内容に心を奪われ、本の著者の足跡を探す旅に出るのです。
ここから、いろんなドラマが始まります。
それは、観てのお楽しみ。
映画でも、テレビドラマでも、小説でも、そしてニュースでも、
日本中が理性のカケラも無い不倫のオンパレード。
そして、中身の浅さに辟易しています。
それだけに、この映画の不器用な男の不器用な愛に、
そして、複雑な心の葛藤に、心が洗われるほどの清々しさを感じるのです。
ラストシーンがとても余韻を残す名場面です。