星新一「声の網」が描く世界に現実がやっと追いついてきた。
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掲載日: 2018年07月02日
ショートショートは、ページ数が短いが故、
さぁ面白くなってきた~と感情移入するやいなや終わってしまうのが欠点です。
でも、この作品は長編。楽しみが持続します(^_^;)
舞台は、十二階建てのマンション。
全部で十二章から成る連作です。
一本の電話が発端となり、
1章では、1階の住人に起こる不思議な出来事。
2章では、2階の住人に起こる不思議な出来事。
・・・という具合に進んでいきます。
各章ごとに役割があり、
物語の発端、展開、状況説明、そして、謎の解明となっていきます。
で、驚くべきは、ここから。
読み進めると、インターネット、AIの脅威の風刺、だと気がつきます。
ありふれた設定だなぁと、思えるのです。
が、しかし・・・。
それは、「今」だから言えること。
これを書かれたのは、1970年代。40年ほど前です。
インターネットの「イ」の字もない時代です。(^_^;)
当時は、そんなバカなこと起こるかなぁと、思っていました。
が、いま読み返すと、現実にあるかもしれない・・・と
背筋がぞっとなってきました。
現実が、小説に追い付いてきてます(^_^;)