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ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、理不尽な福祉行政に対する怒りに溢れています。

ケン・ローチ監督「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、理不尽な福祉行政に対する怒りに溢れています。

  • 映画

掲載日: 2023年12月27日

「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、2016年に公開されたイギリス映画。
第69回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞しています。

ケン・ローチ監督は、御年87歳になるイギリスの映画監督。
イギリス国内の弱者に対する「理不尽なこと」をひたすら描き続ける監督です。
誰もが取り上げてこなかった、労働者や貧困者などの弱者が、どのようなひどい状況になっているかを怒りを込めて描くのです。

この映画の主人公、ダニエル・ブレイクは、59歳の熟練の大工。
彼は心臓病を患い、職を失ってしまいます。

やむなく国の援助を求め福祉事務所を訪れるが、あまりにも複雑な申請手順で、途方に暮れてしまう。しかも福祉事務所の職員は、融通をきかせることもせず、彼を門前払い同様の扱いをする。
なんだか日本でも同じことが起こっているような気がしてなりません・・・(;^_^A

同じ日に、福祉事務所を訪れた移民の女性。
彼女はふたりの子供を抱え、さらに酷い状況です。
見るに見かねたダニエルは、途方に暮れる親子を助けようとするのですが、非人間的かつ非効率的な国の制度によって人間としての尊厳を奪われていくのです。

映画のラストで、ダニエルは、役所の壁にスプレーで、メッセージを書きつけます。
わたしは、ダニエル・ブレイク。
一人のイギリス国民だ。それ以上でもそれ以下でもない。
わたしは、物乞いではない。施しを受けようなんて思ってはいないんだ

収入を断たれた人々を助けるはずの福祉。
でも、実際には、本当に助けが必要な弱者は「セイフティーネット」から漏れている、という現実を怒りをこめて描き出しています。

これはイギリス国内の出来事ですが、日本はもっとひどいことになっているのかもしれません・・・。

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