谷崎潤一郎「少年」の結末を予想できる人は、地球上にはいないでしょう。
- 日本文学
掲載日: 2023年01月03日
「少年」は、1911年(明治44年)に「スバル」で発表された作品。
誰しも、
このタイトルから、まさかこんな物語になろうとは夢にも思わないぐらい
想像を絶する展開になり驚愕の結末を迎える作品です。
主人公の「私」が、わが身に起きた、二十年ほどの昔の出来事を述懐するところから
この物語が始まります。
10歳ぐらいの頃、学校の帰りしな、同級生の「信一」から呼び止められたことがすべての始まりでした。
お金持ちの子息である信一は、附添人の女中を片時も側から離した事のないほどの意気地なしで皆から弱虫だの泣き虫だのと言われ遊び相手になる者のない子供です。
そんな信一が、家に遊びに来てほしいという。
なんでも、家で祭ってあるお稲荷様のお祭りがあるのだそうです。
これがきっかけで、信一の家に、たびたび遊びに行くようになるのです。
一緒に遊ぶ仲間も増え、体が大きく学校ではガキ大将である仙吉や、信一の姉が遊び仲間になっていきます。
学校では、弱虫の信一が、この家では主人のような態度に豹変して、
なんと仙吉や、姉を苛めているのです。
そして、いじめの度合いが次第にエスカレートしていきます。
犬として扱われて、折檻されたり、刃物で切り付けられたりするようになるのです。
ここから先は、もう言えません。
ページをめくる手が止まらなくなること必至ですので、
ぜひ、ハラハラドキドキの展開をお楽しみください。