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あなたは「小説を読むと何の役に立つのですか?」という問いに答えることができますか?
掲載日:2025年05月21日
福永武彦の「忘却の河」を課題作品にした読書会が、先日開催されました。
これはバラバラになった家族が、それぞれの過去を見つめ直していく物語。
その中に、寝たきりの母親が自分の過去を自問自答する章があります。
幼くして死別した弟、そして生後すぐに亡くした我が子のことへ思いを馳せる様が描かれています。
…まさにその時です。
その個所を読んでいるうちに、ボクは彼女の想念を疑似体験し、「死」とは取り返しのつかないことなんだと、今更ながら実感したのです。
読書会に長年参加していると、よく話題になることがあります。
それは「小説を読むと何の役に立つのですか?」という問い。
昨夜の読書会が、まさにこの問いへの回答だなぁとしみじみ思いました。
