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アナタは、「ウ」の意味が判りますか?
掲載日:2020年06月11日
ボクの実家は、大分県の別府で戦前から続く旅館を営んでいます。
実家に帰った際、三十年ぐらい手つかずになっていた物置を掃除していたら、
こんなものが出てきました。
これは、いったい何なのか・・・。
画像拡大して、よーく見てください。
なんと、「大正弐年四月」と筆書きがあります。
中に入っていたものは、新品のようにつややかな漆塗りの会席膳。
全部で20枚あります。
驚くべき耐久性です(;^_^A
それにしても「ウ」ってなんでしょう・・・。
これは、いまでいうところの「天地無用」
こちらが「上(ウエ)側だよ、ひっくり返しちゃダメ」というマークです。
上天板の方に正面版がささる溝があり
正面の横棒が取っ手になっていて
ここをクイッと持ち上げて外す作りになっています。
当時の木箱、例えば書箱もそうですが、大半がこのタイプです。
簡単ながら実用を見据えた良くできた構造です。
上下を間違えるなという心遣いでもあるし、
食器をひっくり返して置いちゃダメだという表示でもある訳です。
移動も簡単にできる当時の食器棚です。
大広間での団体客の時は木箱ごと客室に持ち込んで、
客の前で、ごはんなどをよそおったと思います。
そういう意味では移動型携帯食器棚、旅館の歴史を物語っています。